子供の頃、宮崎県と鹿児島県の境に近い「都城」という町に住んでいました。
年に何回か「空振(くうしん)」を体験した。
「空振」です。「からぶり」ではありません(笑)
空振(くうしん)は、火山の噴火などに伴って発生する空気の振動のうち、人間の耳で直接聞くことが難しいもの。人間の耳に聞こえる振動は爆発音と呼ばれる。
火山が爆発的な噴火を起こすとき、火口において急激な気圧変化による空気の振動が発生し衝撃波となって空気中を伝播することがある。火口から離れるに従って減衰し音波となるが、瞬間的な低周波音であるため人間の耳で直接聞くことは難しい。空振が通過する際に建物の窓や壁を揺らし、窓ガラスが破損するなどの被害が発生することもある。(Wikipedia)より
直線距離で40kmほど離れているのですが、鹿児島の「桜島」が噴火すると、窓ガラスが「鳴る」。すなわちガタガタと窓が揺れる。これが真夜中に来ると少々驚く。爆発音を聞いていないので、何が起ったのか瞬間的には分からない。一呼吸おいて、桜島の噴火であることに気付くのですが、その瞬間ははっと身構えることしか出来ません。
鹿児島市・桜島の南岳山頂火口(1040メートル)で3日午後4時45分頃、爆発的噴火があった。南岳での爆発は2月22日以来、約7か月ぶり。
鹿児島地方気象台の観測によると、噴煙の高さは約3000メートルに達し、噴石は4合目まで飛んだ。同気象台は「マグマが地下にたまっていることを示す地殻変動の兆候がうかがえる。今後も同規模の噴火が予想される」と注意を呼びかけている。(読売新聞)
【地殻変動の兆候】という言葉にどこか敏感に反応する。ここ数日の太平洋沿岸の地震の風景と重なる。
昨今の日本を取り巻く状況もまた「空振」に似ている。
政権交代後の実務の始まりを見ていると、これから起ることが今までとまったく違うものであることが予想できる。
どう考えても、民主党政権は「左翼政権」で、「困っている人々」を助ける政策を行う。子供を持っている人々や高齢者、失業している人たちや生活に困っている人々。前政権からのさまざまな政策変更の方向性は、間違いなく、困っている人を助けるという方向へ傾斜している。
所得制限のない子育て援助金、後期高齢者医療制度の廃止、公立高校の無料化、年金無給者への手厚い保護・・・・。
つまり「個人」を助ける政策を行う。
亀井何某というおっさんが言っている、中小企業の「モラトリアム政策」も、中小企業を助けるのではなくて、会社の資金繰りで個人保証をしている中小企業経営者を助けるための政策であって、中小企業育成の観点から行われているものではない。
誤解を恐れずに言えば「左翼」とは、国家のない考え方で、搾取される側に立った論理で成り立っている。だから「左翼」は、国家や国旗を否定し、国家を守っている自衛隊を否定し、突き詰めると資本家を否定する。
いまどき、資本家などという言葉を聞くこともなくなったが、基本的には、「個人」を中心とした世界観で社会の枠組みを考える。
一方、「保守」といわれる人々は、まず枠組みから考える。国家や防衛や外交という外側を整えた上で、内政へ向かおうとする。
どちらが正しいかなどという論議は無意味です。
時代は、その時代を生きる人々が選択し、あるいは強制されて動いてゆく。その意味からいえば、現在は、強大な権力を持った「左翼」と、行き場を失った「保守」がそれぞれにたたずんでいる風景なのです。
外圧が引き金を引くのか、内政の乱れが引き金を引くのか、緩やかな衰退、言葉を変えれば成熟社会が出現してくるのか今は分からない。
しかし、紛れもなく、どこかで何かが「噴火」する。その「噴火」は、直接見たり聞いたりしない限り「空振」となってわれわれの元へ届く。
はっきりしているのは、国家が「企業」を積極的に助けるなどという幻想的な世の中がしばらくはないということです。
小泉・竹中時代は「頑張るものには報酬を、頑張らない人は消えてくれ!」というひどい時代でした。これからしばらくは「頑張らない人も助けてあげます!」というもっとひどい時代がやってきます。だって、頑張らない人に差し上げる税金は、頑張った人々が納めたものなのですから、税金を納める人々がばかばかしくなってくる。年金を納めずに生活保護を受けたほうが、年金をもらうより多い収入を得てしまう。そうなると年金を真面目に納めている人々が切れてしまわないか。
右か左かなどという単純な問題ではなさそうです。
新政権が誕生して2週間以上たちますが、まだまだ全容が見えません。はっきりしているのは、国家が「企業」を積極的に助けるなどという幻想的な世の中がしばらくはないということです。
「覚悟」の時代の深度はますます深くなるようです。
どこからか「空振」が聞こえてこないか・・・・。
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