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2009年11月17日

「ライト」を点けろ!

昔、身を置いていた業界が業界なので「上下関係」はかなり厳しかった。
普段現場で大きな顔をしていても、「会長」や「社長」から
「おい、運転しろ!」
と言われると、運転手に変身する。
「この車、禁煙だからな!」
などと言われようものなら、素直に「はい」と頷き、どこまでもどこまでも素直に運転をする。

立場が代わり、若い社員と遠い現場へ行くときは、若い社員へ偉そうに言う。
「おい、運転しろ!」
何しろ、「土木部長」なのです。助手席にふんぞり返って命令する。

例の【Tetsu】に運転をさせて、現場からの帰り道。暗くなり始めたので【Tetsu】へ言う。
「おい、そろそろライトを点けろ」
若いころ散々やんちゃをやって、自分が運転がうまいと思っている【Tetsu】の野郎はこう応える。
「大丈夫っすよ。まだ見えますからぁ」

こんなことを私に向かって言うものだから、いつも【Tetsu】は私に叱られる。その日も、頭を「ぺしり」と叩いたのでなかったか。
「こらぁ!Tetsu!お前が見えるから見えないからという問題じゃねぇ!対向車のことをことを考えて言っているのに、なんじゃぁ!対向車の運転がしにくいから言ってるんじゃ!ごちゃごちゃ言わずに、ライトを点けろ!!」


数日前、宮崎の国道を走っていた。
朝から、霧雨のような細かい雨が降っていたのだが、午後から本格的になり、ちょっと運転がしにくい。
実際は、ちょっとどころではない。深い霧のおかげで、三台先のテールランプまでしか見えず、降る雨の激しさに、ワイパーが追いつかない。ワイパーを最高速で動かしても、前が見えない。余りにも雨量が多いので、路面排水がまったく効かない。そして、道路の「ライン」が見えない・・・・。
深い霧の中、ワイパーが追いつかないほどの雨が降り、ラインがまったく見えないので、時速は「15Km」!
南九州でアウトドアの仕事をしていたので、何度か「危ない状況」と遭遇している。
その私が、本気で「怯えた」・・・・。

雨写真.jpg


これ、高速ワイパーがかかっているのですが、まったく前が見えていない。

多くの対向車が「ライト」を点けているのですが、何十台かに一台は、「ライト」を点けていない。深い霧の中から、突然車が飛び出してくる。国道の脇から、突然「ライト」の点いていない車が頭を出してくる!危ないことこの上ない。
余りの雨の激しさに、先行する車が駐車帯で「雨やどり」をし始める。その中を、歯を食いしばって時速15Kmで車を運転した。

「【Tetsu】!ライトを点けんか!!」

今は亡き【Tetsu】に向かって、運転をしながら何度か怒鳴り声を上げた。

深い霧と雨の区間は、33Kmでした。時間にして約一時間。
福岡のマンションで、その時間帯に降った雨量を調べると時間当たり「65ミリ」でした。私が通過した直後、通過した町では「竜巻」が発生して被害があったという。

「こらぁ!Tetsu!お前が見えるから見えないからという問題じゃねぇ!対向車のことをことを考えて言っているのに、なんじゃぁ!対向車の運転がしにくいから言ってるんじゃ!ごちゃごちゃ言わずに、ライトを点けろ!!」


【Tetsu】よ、お前みたいな「馬鹿」が多いや。
あの世では、「ライト」を点けろよ。
怪我するぞ。


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2009年11月16日

「鳩山不況」がやってくる!

さて、何が起り始めているのだろう。
ここ数日、新聞やネットニュースを見て、何度も何度も目を剥いている。

米国から日本へやってきた米国大統領を置いてけぼりにして出かけたアジア太平洋経済協力会議(APEC)での講演で日本の首相はこう発言したという。

災害救援に自衛艦活用 CEOサミットで首相

鳩山由紀夫首相は14日午後(日本時間同)、アジア太平洋経済協力会議(APEC) 最高経営責任者(CEO)サミットで講演し、「東アジア共同体」創設に向けた環境整備の 一環として、海外で起きた災害救援などに自衛艦を活用する「友愛の船」構想を明らかにした。
首相は「自衛艦に自衛隊員だけでなく、非政府組織(NGO)やアジアの多くの人たちが協力して 乗り込み、紛争や人の命が危ないと聞けば、手術など医療で協力する。災害から救うためにも 協力する」と説明。海賊対策にも有効だと述べた。(産経新聞)


うーん、自衛艦は「軍艦」である。「軍艦」に「NGOや他の国籍の人間を乗せて??」ということを国家のトップが国際会議場で述べるという異常性は、すでに「漫画の世界」を生きている。「国家機密」や「自衛官の安全」という意識はまったくなく、なおかつ極めて現実的な外交の世界で起る「アクシデント」や「危機」への理解もない。
とてつもない「愚者」を我々は選んでしまったのはないか。

ちっともリーダーシップを発揮しないものだから、部下の国会議員の「仕分け人」たちが、【科学技術予算】をばさばさと切り刻み始めた。
独立行政法人「理化学研究所」が開発を進める次世代スーパーコンピュータ(スパコン)に対して、蓮舫という元グラビアアイドルの参議院議員が
「世界一でなければだめなのか?」
「国民生活にどう役立つのか分かりにくい」
と言って予算を切る決定をした。
島国で資源の少ない国が、何とかここまで発展できたのは唯一「技術力」を磨いたからなのだが、この国会議員の頭の中には、そうした背景や現実がまったく理解できないらしい。スパコンがなければ、大気や海流など地球レベルの気候変動の予測や、地震による災害シミュレーションなどの研究のほか、ウィルス解析、ナノテクノロジー分野での産業利用もできないのだが、親分が「愚者」だと子分は「馬鹿」になるのだろうか。
「二位ではなぜだめなのか?」
という発言までしたというから、すでに終わっている。
最初から二位を目指す人間やチームがどこにあるのか・・・?
人の上に立つ人間としての資質が完璧に欠落している。想像力のかけらもなく、時代認識もない。「れんほう」ではなく「あっほう」ではないか。いくら参議院選挙が近いからといって、このパフォーマンスはない。

こんな談話も聞こえてくる。

普天間協議、首相「日米合意は前提でない」

鳩山由紀夫首相は14日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で開かれることになっている日米閣僚級の作業部会での協議について、「日米合意が前提ではない」と記者団に語った。作業部会では、06年5月に日米両政府間で合意した同県名護市辺野古への移設計画にとらわれず、合意の見直しを含めて検討したいとの考えを強調したものだ。(朝日新聞)


すでに、国際常識を越えた発言で、この発言によって日本は極めて厳しい状況に追い込まれることになる。
岡田外相が、10月に「東アジア構想」に米国を含まないことを表明したときから起った日本に対する不信感は米国で火がつき始めた。
12日のニューヨーク・タイムズ紙が
【日米関係が経済摩擦で揺れた1990年代以降、最も対立的な状態にある】
と書いたことは日本のメディアでは伝えられることはない。
「最悪といわれた反米・盧 武鉉政権下の米韓関係よりひどい状況」
という米国政府高官の話も伝わっている。

外交政策を明確にすることは決して悪いことではない。
しかし、そのことにより「国際不信」を招き、経済の悪化を導き出すことがある。外国の投資家達が日本から資本を引き上げようとする動きが見え隠れする中、「愚者」が不況を招いている。

すでに、米国は鳩山首相の「身辺調査」を徹底的に始めたらしい。
田中角栄がどのようにして失脚したか、というプロセスに似た動きが始まっている。

民主党のブレーンとされる元財務官の榊原英資・早稲田大教授も講演の なかで、「各省の予算執行停止で、公的需要がかなり減少し、年末から年初にかけて経済が 二番底になる。何年かたつと『鳩山不況』と呼ばれる可能性がある」と懸念を表明した。

年末から、年明けにかけて・・・・。いくつかの記事もそう指摘している。

各々、ご油断召されるな!


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2009年11月13日

若き創業者の横顔

このところ、毎週木曜日は「ホテル暮らし」です。
10週連続の「研修会」があって、毎木曜日は出かけていきます。
18時30分から21時30分まで、3時間、毎週40人近い人たちがやってくる。テーマは「組織活性化」です。昼間、仕事をして、夕方から勉強をするのはおそらく大変なことであるはずだが、皆さん熱心で、こちらも気が抜けない。
すでに7回目になるので、随分「コミュニケーション」も取れるようになって、休憩時間にさまざまな「質問」などが飛ぶようになった。

講義を終え、研修室を出るときに、若い参加者と言葉を交わした。そのまま会場の外にある喫煙所でしばし話し込むうちに、会話が熱を帯はじめた。

創業3年目の青年は、この3年間の心の動きや組織を動かす上での苦労を熱心に語る。弟との関係や若い社員たちとの関係・・・・。時折忘れる「創業の志」・・・・。
若い頃のように、路上で会話を交わす。
話を聞きながら、相談する相手や悩みを打ち明けるべき相手がいないことがよくわかった。おしゃべりな私にしては、相手の話を聞いてあげることに専念する。

この時代に、独立を選択した青年の横顔は、おじさんにはまぶしい。幼さも青臭さを含めて、その若さがうらやましい。

ふと気づくと、11時を過ぎている。路上で一時間以上話しこんでいたことになる。

彼らと別れた後、国道沿いの「すきや」までゆっくりと歩く。すでに寒さを感じさせる晩秋の風が一向に気にならないのは、青年たちの熱気に当たったせいだろう。
いささか遅い深夜の食事の間も、若き創業者の横顔が頭をよぎる。

本当は疲れきっているのだが、こうした出会いがあると、おじさんは不意に胸を張る。

若者たちに、力をもらった夜・・・。

旅先のホテルにて


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2009年11月12日

役割分担

小さな建設会社の話なのだが、働き者の「社長」がいて、時間があると【現場】へ出かけ、働く。特にユンボ(パワーショベル)に乗るのが好きで、いつも重機に乗っている。
確かに「下手」ではないのだが、多くの「重機の達人たち」を現場で使ってきた私の目からすれば、「並」であって、何も社長が乗る必要はなさそうな気がする。何よりも問題なのは、そこで働く人たちが「遊んで」いる。
「社長、上手だねぇ」
などと言われるものだから、社長はいい気になって、機械に乗りたがる。その間、作業員たちは遊んでいる。
そのことを指摘すると、社長は「人件費を安くするためには、自分も現場で働かなければいけない」と言う。

なるほど、そうである、とは言いがたい。
社長自ら「旋盤」向かう工場、社長自ら「配達」をするサービス系企業。社長自ら「屋根に上る」建設会社・・・・。
中小企業なのである。一円でも安く仕事を仕上げるためには、社長自ら動くことは悪いことではないかもしれない。
しかし・・・・。

優先順位を間違うと、組織は「行く先」を間違う。
社長の仕事は何なのか?
専務の仕事は何なのか?
部長の仕事は?課長の仕事は・・・・・?


国会議員による「事業仕分け」という作業が始まったらしい。
今まで、表に出なかった「予算」の仕組みを、一度公開して、考え直すのだという。なるほど、「クズの集まり」だった末期の自民党では考え付きもしないような画期的な出来事だ。おまけに、体育館を使い「一般傍聴席」を設け、作業風景をネットで中継するという。政権が変わると、こんなことまでできるようになるらしい。

だが、電卓をたたくために、国会議員を選んでいるわけではない。電卓をたたく人間を雇うために年間1億円以上の歳費を国費から払っているわけではない。おやおや、国が雇っている「公務員」に電卓をたたける人間はいないのかな・・・・。

「政治主導」という本当の姿はまだ見えてこない。

優先順位を間違うと、組織は「行く先」を間違う。
社長の仕事は何なのか?
専務の仕事は何なのか?
部長の仕事は?課長の仕事は・・・・・?


旅先で、ニュースの画面を眺めて、そんなことを考えた。


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2009年11月11日

森繁久弥の死 〜アナテフカの空〜

「屋根の上のバイオリン弾き」については一度書いた。

30年以上も前に観たミュージカルが、今でも時折「降ってきて」、突然バランスを失わせることがある。音楽であり、踊りであり、台詞である。

満州電信電話の放送局に勤務。満洲映画協会の映画のナレーション等を手掛けるころに「甘粕正彦」とも交流があったという。
日本大学の芸術学部に通っていた友人に薦められて、半強制的に読まされた「森繁自伝」には、戦中から終戦の混乱にいたる満州の事情が書かれている。当事者として、これほどリアルに満州の姿を描いたものはないのではないか。

「屋根の上のバイオリン弾き」のラストシーンは印象的です。
家財道具を積み込んだリヤカーを引き、舞台の袖に消えてゆく。
アナテフカという架空の村の出来事ながら、かつて満州から引き上げた男の姿と重なる。
三度見た舞台のラストシーンで、森繁久弥は胸を張って、アナテフカの村をあとにした。

「半村良」の訃報と「光瀬龍」の訃報に接したときと同じ、鈍い喪失感がある。


森繁久弥 享年96歳

合掌

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